『VOGUE』を手がけるCONDÉ NAST社のビデオサイトと画像管理サービスCloudinary

『VOGUE』や『GQ』、日本のITギークの間でも人気のある『WIRED』(というか周りで読んでる人はほとんどいないが)の出版元であるCONDÉ NAST社のビデオサイトがなかなか豪快なやり方だ。VOGUEはこんな感じ。


GQはこんなの。

WIREDはこちら。

さらには、GLAMOURallureVANITY FAIRTHE NEW YORKERも。全部見た目が同じ。おそらく内部のシステムも同じだろう。データベースも共有しているかもしれない。

とは言えこれを個性がないと批判するユーザーはほとんどいないと思う。というのもビデオサイトなんだから映像コンテンツ自体が目的であって外枠の体裁に個性がある必要はないし、そもそもスマホやタブレットのユーザーならそんなことに気付きさえしないかもしれない。

各媒体の運営者は、「我々は我々独自のサイトを作るぞ!」と言ったかも知れないが、そんなことを自由にやられるとどんどん時間が食われるし、湯水のようにお金が出て行くので、これは正しい経営判断だと思う。

でこれらのサイト、画像部分はCloudinaryという画像加工・配信サービスが使われている。このサービスは画像をアップロード後、ルールに従ったURLの指定するだけで、リサイズ、トリミング、円形トリミング、回転、顔認識、ぼかし加工、シャープ加工、モノクロ化、セピア化、クオリティ変更、gif、jpeg、pngの相互変換等、様々なことをやってくれる。

そのためデザインの変更があっても画像のURLを変更するだけで済み、サムネイルやトリミングした画像を再度作り直す必要がない。また一度作成した加工画像はAmazon S3にキャッシュされ、Akamai CDNを通して配信してくれる。AkamaiはFacebookにも採用されているCDNなので、つまり個人がFacebookと同じパフォーマンスで画像を配信できる。それも月額35ドルから(少しの利用ならフリープランもある)。

VOUGEやGQ等を手がける巨大メディアグループに、画像を取り扱う技術がないはずはないと思うが、こんな部分もCloudinaryを使う事によって技術的アウトソースをしている。

国内ではそれほど利用されていないようだが、Cloudinaryはとてもいいサービスで、もう2年近く利用しているが、障害もほとんどなく非常に満足している。

余談だが、VOGUEというと、Joni Mitchellのこの曲を思い出す。歌詞の中に、"There were lots of pretty people there reading Rolling Stone, reading Vogue." というくだりがあってそこが好き。